「供給・配送計画の策定手順」をどう見直すか|東急不動産・船井総研ロジなどの2026年9月12日動向

供給・配送計画の策定手順を再設計する 一般

この記事の要点

  • 船井総研ロジは2026年9月12日、都築電気が2026年9月16日に主催するオンラインセミナー「物流二法対応と中長期計画策定の実務ポイント」に同社コンサルタントが登壇すると発表した。
  • 東急不動産は2026年9月12日、兵庫県神戸市長田区に建設していたマルチテナント型物流施設「LOGI’Q神戸新長田」が2026年8月31日に竣工したと発表した。
  • o9ソリューションズは2026年9月12日、音響機器ODM大手のメリー・エレクトロニクス社が供給計画・シナリオプランニングの刷新に向けてサプライチェーン計画基盤「o9 デジタルブレイン」を導入したと発表した。
  • 3件から見えるテーマ:法規制への適応、東西結節拠点の整備、変動に応じたシナリオ立案など、いずれも環境変化に即応した「供給・配送計画の策定手順」の再設計に向かっている。

長距離輸送の労働規制強化やサプライチェーンの複雑化が進むなか、物流現場では従来の固定的な運行・生産ダイヤグラムをそのまま維持することが難しくなっています。いま荷主企業や物流事業者に求められているのは、制度変更や拠点配置、需要変動の前提条件を反映しながら、実行可能な運行・供給のダイヤを組み直す「供給・配送計画の策定手順」の刷新です。物流2024年問題への対応や物流関連二法の施行を背景に、2026年9月12日に発表された3件のニュースは、法規制・インフラ・計画システムの各側面から計画策定の工程を見直す動きとして整理できます。


【政策】船井総研ロジ、都築電気主催の物流二法対応・中長期計画策定セミナーに登壇

船井総研ロジは2026年9月12日、都築電気が2026年9月16日に開催する無料オンラインセミナー「物流二法対応と中長期計画策定の実務ポイント~法対応で終わらせない物流効率化の進め方~」に、同社コンサルティング本部の田代三紀夫氏が登壇すると発表しました。セミナーでは、特定荷主判断基準への対応や3つのステップによる中長期計画の策定手順、発荷主と着荷主の間における物流条件(リードタイムなど)の見直し、ならびにクラウド型SCMシステム「TCloud for SCM」を活用した物流DXの進め方について解説されます。

出典: 船井総研ロジ「2026年09月16日(水)開催「物流二法対応と中長期計画策定の実務ポイント~法対応で終わらせない物流効率化の進め方~」に当社コンサルタントが登壇します(主催:都築電気株式会社様)」(PR TIMES/2026年9月12日)

編集部の見方

物流関連二法への対応は、単に法律で定められた提出書類を整える事務作業にとどまりません。特定荷主に課される中長期計画の作成義務は、荷主自身が発着間のリードタイムや積込み待機時間の実態を把握し、無理のない運行計画へと落とし込む手順そのものを問うています。自社単独の都合ではなく、着荷主や運送事業者との取引条件を前提に組み入れた配送計画への更新が、実務上の本質的な論点となります。


【拠点】東急不動産、神戸市に中継輸送拠点「LOGI’Q神戸新長田」を竣工

東急不動産は2026年9月12日、兵庫県神戸市長田区で建設を進めていたマルチテナント型物流施設「LOGI’Q神戸新長田」が2026年8月31日に竣工したと発表しました。本物件は地上4階建て、延床面積56,654.89㎡の規模を持ち、トラックバース44台を備えています。阪神高速3号線「湊川IC」から約2.3km、JR「神戸貨物ターミナル駅」から約1.7kmの立地に位置し、長距離ドライバーの労働時間規制に対応する関東と九州を結ぶ中継輸送拠点としての機能と、神戸市内全域や大阪市内大部分を1時間圏内とする都市型配送拠点としての機能を併せ持ちます。また、セレンディクスとの協業により敷地内空地に3Dプリント技術を用いた屋外休憩スペース「Green Port」を整備し、屋根上には最大出力1,500kWの太陽光発電設備を設置してCASBEE A認証を取得しています。

出典: 東急不動産「関東と九州、国際港湾を結ぶ広域輸送拠点 東急不動産の物流施設「LOGI’Q神戸新長田」竣工」(PR TIMES/2026年9月12日)

編集部の見方

長距離トラックの直行便運行が制限されるなか、関西圏に関東と九州をつなぐ中継拠点が整備されることは、運行計画の組み方に直接影響を与えます。1人のドライバーが長距離を走り切る前提から、中間地点でトレーラーのヘッドを交換したり中継拠点で荷物を積み替えたりする運行計画への移行が可能になります。加えて、JR貨物ターミナルや国際港湾への近接性を活かした複合輸送の選択肢が増えることで、配車担当者が描ける配送ルートの自由度が広がります。


【DX】メリー・エレクトロニクス、o9ソリューションズの供給計画基盤を導入

o9ソリューションズは2026年9月12日、台湾の音響機器・電子部品ODM大手であるメリー・エレクトロニクス社が、供給計画およびシナリオプランニングの刷新を目的にサプライチェーン計画プラットフォーム「o9 デジタルブレイン」を導入したと発表しました。システム導入のSIパートナーにはIBM社が選定されています。メリー・エレクトロニクス社はヘッドホンやスピーカー、補聴器などをグローバルに展開しており、市場の激しい需要変動に対応するため、供給制約の管理、複雑なBOM(部品表)構造、代替品管理、在庫責任管理、迅速なシナリオプランニングといった課題への対応基盤として同システムを採用しました。

出典: o9ソリューションズ・ジャパン「音響機器ODM大手のメリー・エレクトロニクス社が、供給計画・シナリオプランニングの変革にo9 デジタルブレインを導入」(PR TIMES/2026年9月12日)

編集部の見方

電子部品の調達や製品供給では、部品の欠品や突発的な需要変動が発生した際に、どの拠点でどの製品を優先生産・出荷すべきかのシミュレーションが即座に行えるかどうかが納期遵守を左右します。計画策定が表計算ソフトなどの手作業に依存していると、供給制約の変化を計画へ反映するまでに日数を要し、結果として配送計画や在庫配置が後手に回ります。複数のシナリオを高速に試算できる仕組みを整えることは、供給計画の策定スピードを上げ、下流の物流計画を破綻させないための防壁になります。


共通キーワード:「供給・配送計画の策定手順」

2026年9月12日に発表された3件のニュースは、法規制への適応、中継インフラの活用、グローバルな需給調整とアプローチは異なりますが、すべて「供給・配送計画の策定手順」をいかに再設計するかという実務上の課題に直結しています。

発表主体(2026年9月12日) 供給・配送計画で見直す前提 見直しの手段
船井総研ロジ(セミナー登壇) 物流二法の規制基準と発着間の取引条件 中長期計画策定ステップとSCMシステム活用
東急不動産(LOGI’Q神戸新長田竣工) 長距離直行輸送の制限と東西中継地点の配置 神戸の広域中継・都市配送拠点の開設
o9ソリューションズ(メリー社導入) 部品供給制約や急激な需要変動の発生 複数シナリオの高速シミュレーション基盤導入

従来の計画策定は、「過去の実績に基づく固定ダイヤ」や「長距離トラックの単独直行便」を前提に組まれることが一般的でした。しかし、ドライバーの労働時間規制やサプライチェーンの不確実性が高まった現在、固定的な計画手順のままでは実運用の段階で遅延や欠品、法令違反を引き起こします。制度・拠点・シミュレーションの各層で計画の策定手順を更新することが、サプライチェーン全体の安定稼働に直結しています。


編集部の視点:東西の長距離幹線をどこで中継するかで、翌日配送の限界線が決まる

輸送距離の制約が厳格化された現在、地域ごとの拠点配置と中継輸送の設計は、EC・通販事業者が約束できる配送リードタイムの境界線を直接規定します。

関東の単一倉庫から関西・九州方面へ出荷していた従来の体制では、ドライバーの連続運転時間や拘束時間の制限により、翌日着が可能なエリアが急速に縮退しています。東急不動産が開設した神戸新長田のような関西圏の中継拠点は、関東と九州を結ぶ長距離運行において「どこで荷物やドライバーを受け渡すか」という地理的な結節点として機能します。中継拠点を挟む運行計画が成立して初めて、地方向け配送における翌日配達エリアの維持や、運行の安定化が担保されます。

地域差への対応は、全国一律の出荷締め切り時刻を維持する発想から、エリアごとの輸送特性に合わせた出荷・供給ダイヤの切り分けへと実務をシフトさせることを意味します。自社の主要顧客がどの地域に多く存在し、中継輸送や複数拠点配置によってどのエリアまで翌日配送を維持すべきかを逆算して計画を組むことが、これからの荷主企業に求められる地域戦略です。


よくある質問(FAQ)

Q1. 2026年9月12日の物流ニュースで注目すべき発表は何ですか?

A. 主な発表は3件です。船井総研ロジによる物流二法対応と中長期計画策定に関する都築電気主催セミナーへの登壇発表、東急不動産による関東と九州を結ぶ中継輸送拠点「LOGI’Q神戸新長田」の竣工、o9ソリューションズによるメリー・エレクトロニクス社へのサプライチェーン計画基盤「o9 デジタルブレイン」の導入発表です。

Q2. 物流関連二法への対応において、なぜ中長期計画の策定が重要視されるのですか?

A. 法改正により特定荷主に指定された事業者は、荷待ち時間の削減や積載率向上に向けた中長期計画の作成・提出が求められるためです。単なる法令順守にとどまらず、発荷主と着荷主の間でリードタイムや荷役条件を見直し、実効性の高い配送計画を立てることが求められます。

Q3. 関西圏の中継輸送拠点は、長距離物流にどのような効果をもたらしますか?

A. 関東と九州を結ぶ長距離運行の中間地点として機能することで、ドライバーの1日の走行距離や拘束時間を法令の範囲内に収める中継輸送(ヘッド交換やドライバー交代など)が可能になります。これにより長距離直行便が困難になった環境下でも、安定した幹線輸送ネットワークを維持できます。


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執筆: はぴロジNEWS編集部
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更新履歴: 2026年9月13日 公開

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