荷物の受け渡し指示とケース開梱|EU・ロジレス・オークラ輸送機の2026年9月24日動向

荷物の受け渡し指示とケース開梱処理 一般

この記事の要点

  • 欧州連合(EU)は2026年9月21日にEU関税改革を発効し、小口EC貨物のデータハブ一元化や免税廃止、共通取扱手数料の導入を決定した。
  • ロジレスは2026年9月24日、EC自動出荷システム「LOGILESS」で楽天市場の置き配指定を各社送り状や出荷伝票へ自動反映する機能を提供開始した。
  • オークラ輸送機とPALTACは2026年9月24日、共同開発した段ボールケース開梱装置「REO」が第30回日本MH大賞の優秀賞を受賞したと発表した。
  • 3件から見えるテーマ:いずれも小口ECの通関、置き配伝票の出力、入荷ケースの開梱といった「荷物の受け渡し指示とケース開梱」における個別処理の標準化・自動化に向かっている。

EC市場の拡大や物流2024年問題への対応が進むなかで、物流現場や配送網には個口やケース単位での細かな作業指示・手続きが数多く発生しています。2026年9月24日に発表された3件のニュースは、国際通関・配送伝票・倉庫内荷役という異なる工程において、「荷物の受け渡し指示とケース開梱」の作業負荷をいかに解消し、処理単位ごとの手続きを整えるかという共通の課題に向き合っています。


【政策】欧州連合、EU関税改革を発効しEC小口貨物の通関管理を一元化

欧州連合(EU)は2026年9月21日、域内の税関制度を抜本的に見直す「EU関税改革」を発効させました。新たな欧州連合関税法典(UCC)に基づき、フランス・リールに「EU Customs Authority(EUCA)」を設置(2026年9月20日に法的に発足、2027年業務開始予定)し、共通基盤「EU Customs Data Hub」を構築します。EC貨物については2028年7月から、その他の貿易は2031年までにデータハブへ移行し、加盟国で年間23億ユーロ、事業者側で年間25億8000万ユーロのコスト削減を見込んでいます。また、150ユーロ以下の商品に対する関税免除を廃止(2026年7月から2028年7月まで暫定3ユーロ課税)したほか、通関処理コストを賄う共通取扱手数料を2026年11月から導入する予定で、EU域外から直接販売するEC事業者やプラットフォームを輸入者として扱い、関税負担やデータ提出を義務付けます。

出典: LogisticsToday「EU関税改革が始動、EC貨物から通関一元化」(2026年9月24日)

編集部の見方

これまで加盟国ごとに分断されていた通関手続きが共通データ基盤へ集約される一方、越境ECを手掛ける事業者にとっては実質的な規制強化の側面が色濃く出ます。150ユーロ以下の免税廃止や取扱手数料の導入により、小口貨物であっても正規の関税手続きとコスト負担が確実に発生します。プラットフォーム側に輸入者責任を負わせる方針も含め、小口ECを「特例的にすり抜けられる荷物」から「通常貿易と同等に厳格管理する荷物」へと位置づけ直す転換点といえます。


【DX】ロジレス、EC自動出荷システムで楽天市場の「置き配」指定を伝票へ自動反映

ロジレスは2026年9月24日、EC自動出荷システム「LOGILESS」において、インターネットショッピングモール「楽天市場」の置き配機能に対応したと発表しました。購入者が指定した「置き場所」の情報を自動取得し、受注伝票や出荷伝票へ反映する機能を標準機能(追加料金不要)として提供します。取り込んだ置き場所データは、ヤマト運輸の「B2クラウド」、佐川急便の「e飛伝III」、日本郵便の「ゆうパックプリントR」といった送り状発行システムや倉庫への出荷指示に連携可能です。また、「楽天スーパーロジスティクス(RSL)」や「フルフィルメントby Amazon(FBA)」への出荷指示データにも置き場所情報を連携できます。

出典: LNEWS「ロジレス/EC自動出荷システムが楽天市場の置き配に対応、伝票へ自動反映」(2026年9月24日)

編集部の見方

置き配の利用が進むなかで、現場のボトルネックになっていたのが「モール側の置き場所指定を配送伝票や出荷指示にどう落とし込むか」という事務処理でした。これを手作業で備考欄に転記したり伝票を打ち直したりしていては、誤出荷や配送トラブルの原因になります。主要な宅配3社の送り状システムや委託フルフィルメント拠点への指示に自動連携させることで、店舗側・倉庫側の双方で個別修正の手間をなくし、再配達削減と出荷スピードの両立を図ることができます。


【技術】オークラ輸送機とPALTAC、段ボール開梱装置「REO」で日本MH大賞優秀賞を受賞

オークラ輸送機とPALTACは2026年9月24日、共同開発した段ボールケース開梱装置「REO」が、第30回日本マテリアル・ハンドリング(MH)大賞の優秀賞を受賞したと発表しました。REOは、カッター刃を備えたロボットハンドでケース天面を切断し、内容物を傷付けずに多様なサイズの段ボールを毎時最大500ケース開梱する自動化システムです。切断した天面の自動除去機構や替え刃のオートチェンジ機構を備え、人手に頼っていた開梱工程の省人化や安全性向上、作業負荷軽減を実現します。両社は2024年3月に技術提携し、PALTACが自社物流センターで研究・実用化してきた技術をオークラ輸送機のマテハン技術と組み合わせて汎用製品化しました。

出典: LogisticsToday「オークラ輸送機とPALTAC、開梱工程を省人化」(2026年9月24日)

編集部の見方

物流倉庫の入荷工程において、段ボールの開梱はカッター作業による労働災害のリスクや商品損傷のリスクが常に付きまとう作業でした。毎時最大500ケースという処理能力に加え、刃の自動交換や切断天面の除去まで自動化されている点は、日用雑貨や化粧品など多品種を扱う現場にとって大きな省人化効果をもたらします。卸大手のPALTACが現場のノウハウを出し、マテハンメーカーのオークラ輸送機が汎用化したという共創のプロセスも、現場目線の自動化機器開発として評価されます。


共通キーワード:「荷物の受け渡し指示とケース開梱」

2026年9月24日の3件は、国際通関・伝票発行・倉庫荷役と領域は異なりますが、対象としているのは荷物の受け渡し指示やケース開梱といった具体的な処理工程です。

発表(2026年9月24日) 対象となる処理単位と作業 標準化・自動化の手段
欧州連合(EU関税改革) 小口EC貨物の通関データ提出と関税・手数料徴収 EU税関データハブへの一元集約と輸入者責任の明確化
ロジレス(楽天市場の置き配対応) 個別注文ごとの置き場所指定と配送伝票への反映 EC自動出荷システムから宅配3社システム・倉庫へのデータ連携
オークラ輸送機・PALTAC(開梱装置REO) 入荷した段ボールケースの開梱・天面除去 ロボットハンドによる自動切断と毎時最大500ケースの処理

これら3件の根底にあるのは「個別の荷物やケースごとに発生する細かな指示や物理作業を、人の手作業に頼らずいかに確実に処理するか」という共通の狙いです。小口化や多品種化が進む現代のサプライチェーンにおいて、処理単位ごとのルールと仕組みを整えることが現場の生産性を左右しています。


編集部の視点:小口・ケース単位の附帯作業が、物流原価を押し上げる

荷主企業やEC事業者にとって、物流コストといえば運賃単価や坪当たりの保管料に目が行きがちですが、実務においてじわじわと利益を削るのは「荷物ごとの個別指定や荷役にかかる附帯作業コスト」です。

EUの関税改革における取扱手数料の新設やプラットフォームの関税負担、ECでの置き配指定に伴う伝票修正や個別問い合わせ、そして倉庫入荷時におけるケース開梱作業などは、いずれも1件・1個あたりの作業費や手数料として発生します。これらは基本運賃とは別に請求される附帯作業費や、事務スタッフ・現場作業員の人件費として固定費・変動費の双方を押し上げる要因となります。

こうした個口・ケース単位の追加コストを抑制するには、作業そのものを自動化するか、あるいは指示データを自動連携して人の手を介さない仕組みを構築するしかありません。取引条件や法規制の変更によって発生する新たなコスト項目を把握し、どの工程にどれだけの人手や手数料がかかっているかを可視化することが、これからの物流コスト管理に不可欠です。


よくある質問(FAQ)

Q1. 2026年9月24日の物流ニュースで注目すべき発表は何ですか?

A. 主な発表は3件です。欧州連合(EU)による小口EC貨物の通関一元化を含む「EU関税改革」の発効、ロジレスによるEC自動出荷システム「LOGILESS」の楽天市場置き配データ自動反映機能の提供、オークラ輸送機とPALTACが共同開発した段ボールケース開梱装置「REO」の第30回日本MH大賞優秀賞受賞です。

Q2. EU関税改革によって越境EC事業者の実務はどう変わりますか?

A. 150ユーロ以下の小口貨物に対する関税免除が廃止され、通関処理の共通取扱手数料が導入されるほか、EU域外のEC事業者やプラットフォーム自体が輸入者として税関データの提出や関税負担を求められるようになります。これにより、小口配送であっても正規の関税対応とデータ連携が必要になります。

Q3. EC出荷における「置き配情報」の自動連携にはどのようなメリットがありますか?

A. 購入者が指定した置き配場所が送り状発行システムや倉庫の出荷伝票へ自動で反映されるため、店舗担当者による手作業の転記ミスや確認作業がなくなります。配送ドライバーへ正確な置き場所が伝わることで、再配達の防止や配送業務の円滑化につながります。


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執筆: はぴロジNEWS編集部
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更新履歴: 2026年9月25日 公開

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