出荷伝票と受付票の形式を巡る動き|ハコベル・オープンロジ・SHEINの2026年10月19日動向

出荷伝票と受付票の形式が変える現場実務 一般

この記事の要点

  • ハコベルは2026年10月19日、特定荷主の届出を行った明星食品がトラック予約受付システム「トラック簿」を導入し、荷待ち・荷役時間の集計作業を1日40分見込みから月数秒へ短縮した事例を公開した。
  • オープンロジは2026年10月16日、一元管理システムにおいてB2B取引先ごとに記載項目や鑑の出力を個別設定できる納品書テンプレート機能を発表した。
  • SHEINは2026年10月15日、大阪に国内2拠点目となる自社販売商品向けの返品倉庫を開設・稼働させ、返品全工程の所要時間を前週比約8時間短縮したと発表した。
  • 3件から見えるテーマ:荷主や倉庫が扱う受付票・納品書・返品伝票といった「出荷伝票と受付票の形式」をあらかじめ整えることで、現場の確認作業やデータ集計の負荷を大幅に削減している。

物流現場の生産性を圧迫する要因の一つに、紙や手作業による受渡書類の確認、およびそれに伴うデータの集計作業があります。物流2024年問題以降、荷待ち時間の削減や取引条件の明確化が強く求められるなか、荷主や物流事業者は受渡に関わる書類や記録の様式を見直し始めています。2026年10月19日に注目された3件の動向は、受付簿や納品書、返品受付といった「出荷伝票と受付票の形式」を事前に設計・デジタル化することで、現場の手間と待ち時間を削る取り組みとして共通しています。


【政策】ハコベル、明星食品への「トラック簿」導入事例を公開

ハコベルは2026年10月19日、提供するトラック予約・受付システム「トラック簿」を即席めんメーカーの明星食品に導入した事例を公開しました。明星食品は2026年4月の改正物流効率化法施行に伴い「特定荷主」として届出を行っており、2025年に幹線輸送の製品積み地にトラック簿を導入して法対応を進めてきました。導入により、従来1日1拠点あたり約40分を要すると見込んでいた荷待ち・荷役時間のデータ集計が月あたり数秒で完了するようになったほか、車両呼び出し機能によって現場作業員がバースと待機場を往復する手間がなくなり、フォークリフト作業員の負担が大幅に軽減されたとしています。明星食品は今後、荷待ち・荷役時間の実態をモニタリングして定期報告に備え、配車業務のDXや積載効率向上に取り組む方針です。

出典: LNEWS「ハコベル/明星食品「トラック簿」導入で荷待ち・荷役時間データ集計を大幅短縮」(2026年10月19日)

編集部の見方

改正法で義務づけられる特定荷主の定期報告では、実態把握のための記録作成が大きな実務負担となります。紙の受付簿を回収して手集計していては、記録をつけるためだけに現場や管理部門の工数が奪われてしまいます。受付システムを導入してドライバーの到着・入退場と連動した記録データを自動生成させる仕組みは、集計作業を削減するだけでなく、荷役作業員の無駄な移動時間を削る効果も生み出しています。法令順守の手間を最小化しつつ、現場オペレーションを効率化させた好例といえます。


【DX】オープンロジ、B2B物流向けに納品書テンプレートの個別設定機能を提供

オープンロジは2026年10月16日、物流フルフィルメントプラットフォームの一元管理システムにおいて、出荷依頼ごとに納品書テンプレートを指定できる新機能を追加したと発表しました。対応倉庫を利用するB2Bユーザーを対象に、OMS(受注管理システム)とWMS(倉庫管理システム)が一体となった管理画面上で取引先ごとの納品書テンプレートを事前登録し、出荷時に選択してPDF出力できるようにしたものです。記載項目の表示・非表示、項目名、並び順を指定できるほか、既存の商品マスタに登録されていない品番やサイズ、カラーといった項目を追加して記載できます。複数個口の出荷では個口ごとの納品書作成に対応し、発注者や合計金額を記載する「鑑」を1個口目のみに付けるか全個口に付けるかも選択可能です。なお、納品書全体のレイアウト変更には対応していません。

出典: LogisticsToday「オープンロジ、B2B物流で納品書を個別設定」(2026年10月19日)

編集部の見方

B2B取引における実務の難所の一つは、納品先ごとに異なる納品書の記載ルールです。卸先や量販店ごとに特定の品番の記載や鑑の有無といった固有の要請があり、現場では出荷ごとに手作業で帳票を修正したり、専用伝票を差し替えたりする負担が常態化していました。OMSとWMSの一体画面でテンプレートとして管理できれば、出荷指示と同時に取引先の指定に合わせた帳票が自動で出力されます。現場作業員が個別の帳票ルールを記憶・確認する必要がなくなるため、誤出荷や貼り間違いの防止に直結します。


【拠点】SHEIN、大阪に返品倉庫を新設し返金処理までの所要時間を短縮

SHEINは2026年10月15日、大阪府内に自社販売商品向けの返品倉庫を開設し、9月から本格稼働していると発表しました。同社は2022年3月に埼玉県へ日本初となる返品倉庫を設置しており、今回の大阪拠点は国内2拠点目となります。従来の埼玉倉庫が東日本(関東、東北、信越、北陸、東海、北海道、沖縄)を担当し、新設の大阪倉庫が西日本(関西、山陽・山陰、四国、九州)を受け持つことで、東西での分散処理体制を構築しました。配送はヤマト運輸が担い、指定住所での集荷やヤマト運輸営業所、ファミリーマート、PUDOロッカーへの持ち込みに対応しています。大阪倉庫の稼働により輸送距離が短縮され、稼働開始直後の第1週には集荷から倉庫到着、処理完了に至る返品物流全工程の所要時間が前週比で約8時間短縮されたとしています。

出典: LNEWS「SHEIN/大阪に返品倉庫を設置、埼玉倉庫と分散させ返金処理迅速に」(2026年10月19日)

編集部の見方

ECにおける返品処理は、検品や商品の状態確認、返金手続きが複雑に絡み合う負荷の高い工程です。特に返品受付から現物受入までのリードタイムが長いと、ユーザーへの返金が遅れ、顧客体験の悪化や問い合わせ増加を招きます。西日本に受入拠点を設けて輸送距離を縮め、ヤマト運輸の持ち込み拠点網と連携させたことは、返送手続きのハードルを下げると同時に受入現場への荷物の集中を分散させる効果を持ちます。受取から返金確認までの処理速度を上げる拠点の分散配置は、リバースロジスティクスの実務において極めて有効なアプローチです。


共通キーワード:「出荷伝票と受付票の形式」

2026年10月19日に取り上げた3件は、それぞれ食品メーカーのトラック受付、ECフルフィルメントの納品書出力、アパレルECの返品受入と、異なる現場の動きです。しかし、その根底には「出荷伝票と受付票の形式」を標準化・システム化し、受渡時の確認や記録に伴う現場負荷を削るという共通した狙いがあります。

発表(2026年10月19日) 対象となる伝票・受付票の形式 現場で解決した課題
ハコベル(明星食品事例) トラック予約・受付システムの電子受付簿 特定荷主対応の荷待ち集計の手作業と待機場への呼び出し移動を解消
オープンロジ(新機能) B2B取引先別の納品書テンプレート(記載項目・鑑設定) 取引先ごとの帳票仕様の違いによる確認負担と手作業の加工を排除
SHEIN(大阪返品倉庫) 返送受付窓口と東西分散による受入伝票処理 返品全工程の輸送・検品受入時間を短縮し、返金処理を迅速化

物流における受け渡しは、荷物だけでなく、それに付随する書類やデータのやり取りが発生する瞬間です。紙の受付簿を手計算したり、取引先ごとに異なる納品書を手作業で作り直したり、返品票の確認が滞ったりすると、そのしわ寄せはすべて現場の作業時間と人件費に跳ね返ります。3件の動きは、受渡時に介在する書類や受付データの形式をあらかじめデジタルで定義しておくことで、現場の余計な作業を未然に防ぐアプローチといえます。


編集部の視点:伝票と受付のルール化が、現場の熟練依存を解く

物流現場において、最も属人化しやすいのが「帳票の例外処理」や「受付の差配」です。特にB2B出荷における納品書は、取引先ごとに「この品番を備考欄に記載する」「鑑を1枚だけ付ける」といった固有ルールが存在し、長年現場にいるベテラン作業員の記憶に頼って運用されているケースが少なくありません。新人が入っても教えきれず、出荷前の照合作業でベテランが付きっきりになる状況は、倉庫のキャパシティを圧迫する大きな原因です。オープンロジのテンプレート機能のように、システム側で取引先ごとの出力仕様を固定できれば、ピッキング後の検品・梱包作業員は画面の指示通りに印刷して同梱するだけの定型作業に変えられます。

トラックの受付や返品の受入も同様です。誰がどのトラックをどのバースに誘導するか、返品された個口をどの手順で受入計上するかという判断を、紙の伝票や勘に頼っていると教育コストがかさみます。ハコベルの受付・呼び出し機能やSHEINの東西受入分散のように、受渡の動線とデータ記録のルールが固まれば、現場作業員は荷役や検品という「本来の作業」に専念できるようになります。

人手不足が長期化する物流現場において、作業手順から「迷う時間」や「確認する手間」を排除することは、教育期間の短縮と作業品質の安定に直結します。伝票や受付票の形式をあらかじめシステム上で定義しておくことは、単なる事務の効率化にとどまらず、現場の作業を属人化から解放するための極めて実践的な基盤づくりといえます。


よくある質問(FAQ)

Q1. 2026年10月19日の物流ニュースで注目すべき発表は何ですか?

A. 主な発表は3件あります。ハコベルによる明星食品への「トラック簿」導入事例公開(荷待ち集計を大幅短縮)、オープンロジによるB2B物流向け納品書テンプレートの個別設定機能の提供開始、SHEINによる大阪返品倉庫の開設・稼働(東西2拠点体制による返金処理迅速化)です。

Q2. 特定荷主の法対応において、受付システムの導入はなぜ有効なのですか?

A. 改正物流効率化法により特定荷主は荷待ち・荷役時間の把握や定期報告が求められますが、手書きの受付簿では集計に膨大な工数がかかります。予約受付システムを活用すれば、入退場時刻が自動記録されてデータ集計が即座に完了するため、集計ミスの防止と現場作業員の負担軽減が同時に実現できます。

Q3. 取引先ごとに異なる納品書フォーマットに対応する際の課題は何ですか?

A. B2B取引では納品先によって必須項目や鑑の付け方が異なり、現場担当者が手作業で帳票を修正したり確認したりする属人化が発生しやすい点が課題です。OMSやWMS側で取引先ごとのテンプレートを事前に設定できれば、現場の判断や手加工をなくし、誰でも正確に出荷伝票を印刷できる体制が整います。


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執筆: はぴロジNEWS編集部
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更新履歴: 2026年10月20日 公開

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