この記事の要点
- ポールトゥウィンは2026年10月9日、特定技能「自動車運送業」「物流倉庫」を見据えた物流企業向け外国人人材採用ウェビナーを2026年10月21日に開催すると発表した。
- DHLサプライチェーンジャパンは2026年10月8日、ベイクルーズの物流を担う柏沼南ロジスティクスセンターに約60台のロボットが稼働する自動倉庫「ASRS」を導入したと発表した。
- コマースロボティクスは2026年10月5日、EC・物流事業者の問い合わせ急増に対応する生成AI・AIエージェント活用セミナーを2026年10月16日に開催すると発表した。
- 3件から見えるテーマ:いずれも採用・設備化・デジタル化という異なるアプローチから、現場オペレーションを支える「作業スタッフの配置人数」の維持と最適化に向かっている。
物流2024年問題以降、ドライバーの時間外労働規制だけでなく、倉庫内作業やバックオフィスの現場でも人手不足によるオペレーションの逼迫が深刻化しています。限られた労働力の中で日々の物量を安定して出荷し続けるためには、従来の場当たり的な人員調達を脱し、現場作業の構造そのものを見直さなければなりません。2026年10月10日に注目された3件の動きは、新たな人材供給ルートの開拓、機械化による構内作業の省人化、デスクワークの自動化という異なるレイヤーから、「作業スタッフの配置人数」をいかに維持するかという共通の実務課題に取り組む姿勢を示しています。
【政策】ポールトゥウィン、特定技能「物流倉庫」見据えた外国人採用ウェビナーを開催
ポールトゥウィン株式会社は2026年10月9日、運営する外国人人材採用支援サービス「Stepjob」において、物流企業の人事・採用担当者を対象とした無料オンラインウェビナーを2026年10月21日に開催すると発表しました。ウェビナーの題名は「2027年、物流の採用が変わる。特定技能『物流倉庫』開始目前! ~ドライバー・倉庫スタッフの人材確保戦略~」で、自動車運送業および物流倉庫分野における特定技能の最新動向を解説します。内容は特定技能と外国人派遣における制度や採用スピード、初期負担の違いを整理するほか、国内採用と海外採用の相違点、募集・選考から採用手続き、採用後の定着支援実務までを取り上げます。参加費は無料でZoomを用いたオンライン配信形式となり、定員は100名に設定されています。
出典: ポールトゥウィン株式会社「Stepjob、物流企業向け外国人人材採用ウェビナーを10月21日開催」(PR TIMES/2026年10月9日)
編集部の見方
物流現場における労働力不足が構造化するなか、ドライバーや倉庫作業員を国内の従来型ルートだけで集め切ることは年々難しくなっています。とくに特定技能制度の活用は、単なる頭数の補充にとどまらず、ビザ申請や受け入れ体制の構築、生活支援といった実務負担が企業側に生じます。採用にかかるスピードや初期費用の違いを把握したうえで、現場のオペレーションにどのように外国人人材を組み込み、戦力化していくかの設計が問われます。
【拠点】DHLサプライチェーン、ベイクルーズ向け物流拠点に自動倉庫「ASRS」を導入
DHLサプライチェーンジャパン株式会社は2026年10月8日、株式会社ベイクルーズの物流を担う柏沼南ロジスティクスセンターにおいて、ASRS(自動倉庫)を導入したと発表しました。導入されたASRSは、専用の小型ケースであるビン約10,800個を約60台の搬送ロボットで運用し、ロボットが保管エリアと作業エリアを自動往復することで、作業者が定位置から移動せずに商品を入出庫できる仕組みです。ベイクルーズは2016年に4拠点を柏沼南へ集約し、2020年のRFID導入や2024年の自動梱包ライン導入を経て今回の自動倉庫導入に至り、従来の中量棚では活用しきれなかった上部空間の有効活用を進めています。拠点を増設することなくBtoBとBtoC双方の出荷能力を高め、約5年後の事業成長に対応可能な物流体制の構築を目指しています。
出典: DHLサプライチェーンジャパン株式会社「DHLサプライチェーンジャパン、ベイクルーズ向け物流拠点にASRS(自動倉庫)を導入し、成長戦略を支援」(PR TIMES/2026年10月8日)
編集部の見方
倉庫現場の作業工数において、ピッキング作業員が棚の間を歩き回る移動時間は全体の大部分を占めており、作業効率を落とす大きな要因となってきました。今回のASRS導入は、荷物が作業者の手元まで運ばれる「グッズ・トゥ・パーソン」方式を実現することで、作業員の歩行工数を大幅に削り、限られた人員で高い出荷能力を維持する狙いがあります。さらに、拠点を増やさずに縦の保管空間を使い切るアプローチは、新たな倉庫の賃料や追加の現場スタッフ確保が困難な現在の市場環境において極めて現実的な戦略といえます。
【DX】コマースロボティクス、配送・返品対応の省人化を図るAI活用セミナーを開催
株式会社コマースロボティクスは2026年10月5日、EC・物流事業者やBtoB SaaS事業者のカスタマーサポート担当者向けに、生成AIを活用した問い合わせ対応の無料オンラインセミナーを2026年10月16日に開催すると発表しました。セミナーでは、繁忙期に配送や返品に関する問い合わせが集中し、FAQを整備してもスタッフの手元に届く質問を人員増強だけでさばき切れないCS組織の課題を取り上げます。生成AIやAIエージェントの動向、誤回答による失敗事例、段階的な導入ロードマップを45分で解説する内容です。同社はFAQや社内マニュアルを学習して一次対応を自動化するツール「Fastdesk」を提供しており、ツール活用の具体策も紹介されます。開催形式はTeamsによるオンライン配信で、参加費は無料の事前登録制です。
出典: 株式会社コマースロボティクス「【10/16(金)開催】AIエージェント時代のカスタマーサポート 成功・失敗事例に学ぶ、問い合わせ対応AIの導入ステップ 無料オンラインセミナー」(PR TIMES/2026年10月5日)
編集部の見方
EC物流における人員不足のしわ寄せは、倉庫内での実作業だけでなく、出荷後の配送遅延や返品対応を処理するカスタマーサポートの現場にも直結しています。定型的な問い合わせにスタッフが追われる状態は、本来注力すべき例外対応や倉庫現場との連携確認を遅らせ、対応品質全体の低下を招きます。定型業務をAIエージェントに任せて一次切り分けを自動化することは、限られた人員の配置枠を作業負担の大きい高難度業務へ集中させるための不可欠な防衛策といえます。
共通キーワード:「作業スタッフの配置人数」
2026年10月10日の3件は、倉庫内作業、輸配送、バックオフィスの問い合わせ対応という異なる工程において、現場を支える作業スタッフの配置人数をいかに維持し、最適化するかという実務課題に焦点を当てています。
| 発表(2026年10月10日) | 対象となる現場工程 | 配置人数を維持・最適化する手段 |
|---|---|---|
| ポールトゥウィン(特定技能ウェビナー) | 倉庫内作業・輸配送の担当人員 | 特定技能や外国人派遣による新たな採用枠の確保 |
| DHLサプライチェーン(ASRS導入) | ピッキング・仕分けの構内作業 | 自動倉庫による定位置作業化で歩行工数を削減 |
| コマースロボティクス(CS向けAIセミナー) | 配送・返品を処理するCS窓口業務 | AIエージェントによる問い合わせ一次対応の自動化 |
労働人口の減少と求人倍率の高止まりが続くなか、物流やECの現場では、これまでのように「繁忙期に人を増やして乗り切る」という単純な人員配置が通用しなくなっています。2026年10月10日に発表された3件は、異なる工程でありながら、現場スタッフの頭数をどう確保するか、あるいは作業工数を圧縮して限られた人数で業務を回すかという共通の課題に向き合っています。外部からの労働力供給を切り開く動き、物理的な自動化で作業員の手足を解放する動き、デスクワークをデジタル化して対応工数を浮かす動きと、アプローチは異なりながらも、現場の破綻を防ぐための人員リソース管理という一点で足並みが揃っています。
編集部の視点:誰でも回せる作業手順への標準化と熟練依存の解消
よくある質問(FAQ)
Q1. 2026年10月10日の物流ニュースで注目すべき発表は何ですか?
A. 主な発表は3件です。ポールトゥウィンによる特定技能「自動車運送業」「物流倉庫」の外国人材採用ウェビナーの開催告知(10月21日開催)、DHLサプライチェーンジャパンによるベイクルーズ向け柏沼南ロジスティクスセンターへのASRS(自動倉庫)導入、コマースロボティクスによるEC・物流向けCS問い合わせ対応AI活用セミナーの開催告知(10月16日開催)です。
Q2. 特定技能「物流倉庫」の導入を見据えて現場が準備すべき実務は何ですか?
A. 従来の短期派遣とは異なり、特定技能制度の活用にはビザ申請や在留資格の要件確認、生活支援体制の整備といった実務負担が発生します。単に人員を補充するだけでなく、作業手順書の多言語化や業務の標準化を進め、早期に現場戦力として定着させるための受け入れ設計を事前に整えておくことが重要です。
Q3. 物流拠点で自動倉庫(ASRS)を導入すると現場の人員体制はどう変わりますか?
A. 保管エリアから作業エリアへロボットが商品を搬送するグッズ・トゥ・パーソン(GTP)方式が実現し、作業員が棚間を歩行移動する工数が大幅に削減されます。これにより、ピッキングや仕分けに必要な配置人数を最小限に抑えられるとともに、同一拠点内でBtoBとBtoCの出荷能力を柔軟に拡張することが可能になります。
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更新履歴: 2026年10月11日 公開

