「荷物の受け渡し場所と容器」を整える|国交省・ユニクロ・コマースロボの2026年9月18日動向

荷物の受け渡し場所と容器を整える 一般

この記事の要点

  • 国土交通省は2026年9月18日、日中韓などを結ぶ国際物流でのリターナブル物流容器(RTI)普及に向けた実証輸送の公募を開始した(1輸送あたり原則30万円を補助予定)。
  • ユニクロは2026年9月18日、カスタムオーダースーツで工場から顧客へ直送するダイレクト配送を開始し、配送リードタイムを最短5日へ短縮したと発表した。
  • コマースロボティクスは2026年9月18日、クラウドWMS「Air Logi」において佐川急便・ヤマト運輸・日本郵便などの送り状発行システムへ置き配指定情報を連携する機能をリリースしたと発表した。
  • 3件から見えるテーマ:いずれも国際間輸送からラストワンマイルまで、「荷物の受け渡し場所と容器」を再定義して工程の短縮と受け取りやすさを追求している。

ECや物流の現場では、物流2024年問題以降の輸送力不足や再配達の増加に対応するため、輸送経路そのものだけでなく荷物の引き渡し方や梱包形態の見直しが進んでいます。2026年9月18日に発表された3件のニュースは、国際輸送における循環容器の活用から、中間倉庫を省いた工場直送、宅配便の置き配指定情報連携に至るまで、「荷物の受け渡し場所と容器」の接点を最適化してリードタイム短縮と作業効率化を図る動きとして整理できます。


【政策】国交省、国際物流でのリターナブル物流容器(RTI)普及に向けた実証輸送を公募

国土交通省は2026年9月18日、国際物流におけるリターナブル物流容器(RTI: Returnable Transport Items)の普及促進を目的とした「先進的で高機能な国際間RTIを利用した実証輸送」の参加事業者の公募を開始しました。公募期間は2026年10月16日までで、日系荷主や物流事業者(RTI開発・運用・レンタル企業を含む)などが対象です。実証は2026年10月から2027年1月を目途に日本、中国、韓国などを結ぶ輸送で実施され、先進的・高機能なRTIや高機能デバイスを搭載したRTIを使用し、荷役、コスト、輸送品質、所要日数、制度上の制約の改善を図ります。越境時の税関手続きを含めリードタイムが3か月以内で完了し、1〜2年後の商用ベース運用が見込まれることが条件で、1輸送あたり原則30万円の調査協力費用が支出される予定です。

出典: LNEWS「国交省/国際物流のRTI普及に向け実証輸送に補助金、1輸送30万円を予定」(2026年9月18日)

編集部の見方

国際間でのリターナブル容器の運用は、使い捨ての木箱や段ボールを減らす環境負荷低減だけでなく、梱包資材の開梱・廃棄作業をなくして荷役時間を短縮する効果があります。一方で、国境をまたぐ容器の回収・管理コストや通関制度の壁が普及のボトルネックとなっていました。高機能デバイスの搭載や公的な実証支援を通じて容器の滞留や紛失を防ぐ仕組みが確立されれば、越境サプライチェーン全体の容器標準化と受け渡し効率化が大きく前進します。


【企業戦略】ユニクロ、カスタムオーダースーツのダイレクト配送を開始し最短5日でお届け

株式会社ユニクロは、カスタムオーダースーツにおいて工場から顧客の手元へ直接届ける「ダイレクト配送」を開始しました。全国の対象約700店舗でスタッフが採寸したオーダー情報をもとに工場で一着ずつ仕立て、顧客へ直送するサプライチェーンを構築したことで、一般的に3〜4週間、従来の同社サービスでも10日以内とされていた配送リードタイムを大幅に短縮し、最短5日で届ける体制を整えました。対象となる「ストレッチウールジャケット」などは高品質素材「Super110’s」ウールを98%使用し、上下合わせて27,890円(税込)で提供されます。従来の国内倉庫で補正してから届ける工程を省き、工場の仕上がりから直接受け渡し場所(顧客)へ繋ぐ運用への刷新です。

出典: PR TIMES「スーツに、新しい選択肢。 「カスタムオーダースーツ」のダイレクト配送を開始 全国約700店舗で採寸、最短5日で工場から直接お手元へ」(2026年9月18日)

編集部の見方

従来のカスタムオーダーでは「海外工場で縫製→国内倉庫へ輸送・保管→注文に応じて補正・出荷」という中間倉庫を経由する工程が一般的でした。この国内拠点をスキップし、顧客の指定住所へ工場から直接配送するモデルは、中間拠点の荷役・保管コストと横持ち時間を完全に削ぎ落とす構造転換です。店舗採寸というオフラインの接点を起点にしつつ、製造からエンドユーザーへの受け渡しを一気通貫で直結させた点に、サプライチェーンの高度化が表れています。


【DX】コマースロボティクス、クラウドWMS「Air Logi」で宅配各社の置き配指定情報連携に対応

株式会社コマースロボティクスは2026年9月18日、同社が提供するクラウド型倉庫管理システム(WMS)「Air Logi」において、佐川急便・ヤマト運輸・日本郵便などの送り状発行システムへ置き配情報を連携できる機能を2026年9月16日にリリースしたと発表しました。出荷指示登録、出荷実績、送り状実績のCSVフォーマットに「置き配指定場所第一希望」「置き配指定場所第二希望」「置き配指定場所第三希望」「置き配チャイム有無」の項目を追加し、モールやカートなどの上位システムから取り込んだ置き配情報を宅配会社ごとのフォーマットに合わせて出力可能にしました。楽天市場で2026年10月30日より置き配設定が原則必須化される予定であることを受け、EC事業者のシステム対応負荷を軽減し、置き配指定漏れによる再配達を防止します。

出典: DreamNews「クラウドWMS「Air Logi」が佐川急便・ヤマト運輸・日本郵便等 各宅配会社の置き配指定に対応」(2026年9月18日)

編集部の見方

モール側で置き配が標準化されても、倉庫側のWMSや送り状発行システムがそのデータ項目に対応していなければ、現場での手作業による転記や指定漏れが発生し、結果として再配達が減りません。今回の機能追加は、購入者が指定した「受け渡し場所」の情報を上位システムから送り状まで欠損なく流すための実務的な基盤整備です。ラストワンマイルの受け渡し効率化は、配送会社だけでなくWMS側のデータ受け渡し精度に依存していることを示しています。


共通キーワード:「荷物の受け渡し場所と容器」

2026年9月18日に発表された3件のニュースは、国際物流、製造直販(D2C/SPA)、ECラストワンマイルと領域は異なりますが、いずれも「荷物を詰める容器の形態」や「荷物を引き渡す場所の指定」を再設計することで、物流工程のムダや再配達を削減しようとしています。

発表主体 見直しの対象となった「場所・容器」 具体的な改善手段
国土交通省(政策) 国際間輸送の使い捨て梱包資材と輸送容器 高機能RTIの活用と日中韓実証輸送への補助金支給
ユニクロ(企業戦略) 国内中間倉庫を経由する製品の受け渡し拠点 工場から顧客宅へ直接届けるダイレクト配送の構築
コマースロボティクス(DX) 宅配ラストワンマイルの受け渡し場所(玄関前・宅配ボックス等) WMSにおける各社送り状システム向け置き配指定情報連携

荷物を早く、確実に、低負荷で届けるためには、長距離輸送のスピードアップだけでは限界があります。国際間の循環容器(国交省)、工場から顧客への直結(ユニクロ)、玄関先での置き配連携(コマースロボティクス)のように、荷物の「入れ物」と「受け渡し地点」を最適化することが、物流全体のリードタイムとコストを圧縮する鍵になっています。


編集部の視点:受け取り方の自由度と届く速さが、購入者の継続率を左右する

EC・通販において、荷物の受け渡し場所や納期の短縮は、単なる配送業務の効率化にとどまらず、購入者の購買体験(CX)とリピート率に直結する重要な要素です。

ユニクロがオーダースーツの納期を最短5日に短縮した事例は、「早く手元に届く」ことが顧客満足度を大きく押し上げる好例です。一方で、日常のEC配送においては「不在時に再配達の手続きをするストレス」が買い手にとって大きな離脱要因になります。Air Logiの置き配情報連携のように、玄関前や宅配ボックス、チャイムの有無といった細かな受け取り希望が正確に配送ドライバーへ伝わることは、購入者にとって「ストレスなく荷物を受け取れる体験」そのものです。指定通りに荷物が届かなかった場合のクレームや問い合わせ対応はEC事業者のCS部門に跳ね返るため、受渡し場所の正確な管理は顧客対応コストの削減にもつながります。

さらに、国交省が推進するRTIのように、梱包材の過剰なゴミを出さず、開梱が容易な形態で荷物が届くことも、買い手のブランドに対する印象を左右します。EC・通販事業者が物流を設計する際は、単に「いくらで運べるか」というコスト視点だけでなく、「購入者がどのような状態で、どこで、どれだけスムーズに荷物を受け取れるか」という受け取り体験の視点を組み込むことが不可欠です。


よくある質問(FAQ)

Q1. 2026年9月18日の物流ニュースで注目すべき発表は何ですか?

A. 主な発表は3件です。国土交通省による国際リターナブル物流容器(RTI)普及に向けた実証輸送事業者の公募開始、ユニクロによるカスタムオーダースーツの工場直送ダイレクト配送(最短5日お届け)の開始、コマースロボティクスによるクラウドWMS「Air Logi」の主要宅配各社向け置き配指定情報連携機能のリリースです。

Q2. 国際物流におけるリターナブル物流容器(RTI)にはどのようなメリットがありますか?

A. 繰り返し利用できる容器を使うことで、使い捨ての木箱や段ボールなどの梱包資材を大幅に削減し環境負荷を低減できるほか、開梱や資材廃棄にかかる作業時間を短縮して荷役効率を高めるメリットがあります。

Q3. WMSが置き配指定情報に対応することでEC事業者にはどのような利点がありますか?

A. モールや自社ECで顧客が選択した置き配希望場所やチャイムの要否データを、ヤマト運輸や佐川急便、日本郵便などの送り状へ手作業なしで正確に反映できるようになります。これにより、指定漏れによる誤配送や再配達を防ぎ、顧客満足度の向上と問い合わせ対応負荷の軽減につながります。


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執筆: はぴロジNEWS編集部
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更新履歴: 2026年9月19日 公開

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