車両の運行体制と稼働枠をどう確保するか|岡三物流・ホンダ・中央倉庫の2026年10月5日動向

車両の運行体制と稼働枠をどう確保するか 一般

この記事の要点

  • 岡三物流は2026年10月5日、1日約500台を扱う中古車陸送において、混載や多様な荷主に対応した実運送体制管理簿の作成に向け協力会社と検討を進めていることが報じられた。
  • 本田技術研究所は大成建設・大成ロテックと共同で2026年10月5日、大型商用車にも対応する走行中非接触給電システムの基盤技術を開発したと発表した。
  • 中央倉庫は2026年10月5日、宝ホールディングス傘下で酒類・調味料の少量多品種配送網を持つタカラ物流システムを株式取得により子会社化すると発表した。
  • 3件から見えるテーマ:規制対応、動力源の転換、専用網の獲得とアプローチは異なるものの、いずれも「車両1台ごとの運行体制と稼働枠」をいかに維持・管理するかという課題に向き合っている。

物流2024年問題以降、輸送能力の不足を補うために運行効率の向上とコンプライアンス遵守が同時に求められています。2026年10月5日に報じられた3件のニュースは、法令に基づく管理体制の構築、車両の非稼働時間を減らす新技術、そして専門的な輸配送網のM&Aによる内製化と、異なるアプローチから「車両1台ごとの運行体制と稼働枠」を確保しようとする動きを示しています。


【政策】岡三物流、中古車陸送における実運送体制管理簿の作成を協力会社と検討

岡三物流(愛知県岡崎市、和泉あや社長)が、中古車陸送における実運送体制管理簿の作成や書面交付への対応について、協力会社とともに検討を進めていることが2026年10月5日に報じられました。同社は1日に約500台の中古車を取り扱っています。中古車陸送ではキャリアカー1台に複数台の車両を積載し、積載車両ごとに荷主や届け先が異なるケースが多いため、車両1台ごとに書面を整えて管理簿へ反映する事務作業の負荷が大きな課題となっています。

出典: 物流ウィークリー「岡三物流 中古車陸送で管理簿作成に壁、協力会社と検討」(2026年10月5日)

編集部の見方

改正貨物自動車運送事業法によって義務化された実運送体制管理簿は、多重下請け構造の是正を目的としています。しかし、1台の積載車に複数荷主の貨物を混載する中古車陸送のような特有の商習慣を持つ現場では、一般的なチャーター便に比べて管理対象が爆発的に増加します。法令が求める透明性と現場の事務処理能力のギャップを埋めるには、単独企業での対応にとどまらず、協力会社を含めた業務フローの再設計が不可欠です。


【技術】本田技術研究所など3社、大型トラック向け走行中EV給電の基盤技術を開発

本田技術研究所(埼玉県和光市)は大成建設、大成ロテックと共同で2026年10月5日、走行中のEVへ非接触で給電する「磁界結合方式無線給電道路システム」の基盤技術を開発したと発表しました。本田技術研究所が給受電ユニットと車両システム、大成建設が直流電源システム、大成ロテックが道路への埋設施工技術を担当し、車両総重量20トンクラスの大型商用車への適用を想定しています。2026年末から福島県内の試験走行路で100万輪の載荷走行試験などを実施し、2027年度以降にはNEXCO東日本が館山自動車道で実施する公道実証実験に参画する計画です。

出典: LogisticsToday「Hondaら、走行中EV給電を大型トラックへ展開」(2026年10月5日)

編集部の見方

大型トラックの電動化における最大のボトルネックは、長距離走行に必要な大型バッテリーの搭載による積載重量の減少と、長時間の充電待機による車両停止時間です。走行中に道路から大電力(最大150kW)を給電できる仕組みが確立されれば、バッテリーを小型化して積載容量を確保しつつ、充電のために運行を止める必要がなくなります。インフラ整備のコストや施工性という課題はあるものの、長距離幹線輸送の脱炭素と稼働率維持を両立させる基幹技術として期待されます。


【企業戦略】中央倉庫、タカラ物流システムを子会社化し食品・飲料物流網を強化

中央倉庫は2026年10月5日、宝ホールディングス傘下のタカラ物流システム(京都府京田辺市)の株式70%を取得し、子会社化すると発表しました。概算取得額は61億1500万円(普通株式59億8500万円とその他費用)で、株式譲渡日は2027年4月1日を予定しています(公正取引委員会の審査完了が前提)。タカラ物流システムは酒類や調味料の少量多品種配送に対応する全国配送ネットワークを有しており、2026年3月期の連結売上高は126億4900万円、営業利益は6億7600万円でした。中央倉庫は第8次中期経営計画で掲げる食品・飲料分野の基盤拡大を進め、保管から流通加工、輸配送までの一体提供体制を強化します。

出典: LogisticsToday「中央倉庫、タカラ物流子会社化で食品物流強化」(2026年10月5日)

編集部の見方

酒類や調味料などの食品物流は、重量物であることに加え、細かな納品条件や温度管理、少量多品種の配送ノウハウが求められる参入障壁の高い分野です。中央倉庫がゼロから配送網を自社構築するのではなく、確立されたネットワークと顧客基盤を持つ事業者をM&Aによってグループに取り込んだことは、配送リソースが逼迫する現況において極めて合理的な戦略といえます。自社の倉庫アセットと既存の配送便を組み合わせることで、積載効率とネットワーク密度の向上が見込めます。


共通キーワード:「車両1台ごとの運行体制と稼働枠」

2026年10月5日に発表された3件のニュースは、それぞれ異なる立場から車両1台ごとの運行体制と稼働枠をいかに確保・管理するかという課題に焦点を当てています。

発表主体 向き合っている「運行体制・稼働枠」の課題 対応策
岡三物流(管理簿作成) 混載輸送における車両ごとの実運送体制の把握 協力会社との連携による管理フロー再構築
本田技術研究所ら(走行中給電) 充電停止による大型EVトラックの稼働枠目減り 走行中無線給電による充電レス運行の実現
中央倉庫(M&Aによる子会社化) 少量多品種に対応できる専用配送網の確保 酒類・調味料物流網を持つ企業の株式取得

トラックドライバーの拘束時間規制や法令遵守の強化により、単に「車両を手配して走らせる」ことの難易度は急激に上がっています。1台の車両に誰の荷物がどのように積まれ、どこを経由するのかを正確に記録する実運送管理(岡三物流)、車両が停止せずに走り続けられる稼働枠の技術的担保(本田技術研究所)、そして複雑な荷姿に対応できる配送枠そのものの確保(中央倉庫)は、いずれも安定した輸配送能力を維持するための必須要件となっています。


編集部の視点:長距離便の制約から逆算する在庫の分散と集約

車両の運行体制や稼働枠に対する制約が強まることは、EC・通販事業者の「在庫をどこに、どれだけ置くか」という配置戦略に直接的な影響を与えます。

これまで多くの事業者は、1か所の大規模なマザーセンターに全在庫を集約し、そこから全国へ長距離幹線便で出荷するモデルを採用してきました。しかし、実運送体制の管理負担や車両の稼働制限によって長距離便の手配難易度や運賃コストが上昇すると、遠方への都度配送モデルは維持が難しくなります。特に少量多品種や重量物、特定条件を伴う商材では、配送網の確保自体が出荷制限のリスクになり得ます。

この環境下で求められるのは、消費地に近い複数の拠点へ売れ筋商品をあらかじめ分散配置しておく戦略です。長距離の幹線輸送を「日々の出荷」として使うのではなく、計画的な「拠点間補充」に切り替えることで、突発的な配車リスクを回避できます。全SKUを分散させるのではなく、回転率の高い主要SKUを分散拠点に置き、ロングテール商品は中央拠点に集約するといった、商材特性に応じた在庫の最適配置が配送網の安定性を高めます。


よくある質問(FAQ)

Q1. 2026年10月5日の物流ニュースで注目すべき発表は何ですか?

A. 岡三物流による中古車陸送における実運送体制管理簿作成への対応検討、本田技術研究所・大成建設・大成ロテックによる大型トラック向け走行中EV給電技術の開発、中央倉庫によるタカラ物流システムの子会社化(食品・飲料物流強化)の3件です。

Q2. 実運送体制管理簿の作成が中古車陸送で難航しているのはなぜですか?

A. 1台のキャリアカーに複数台の中古車を混載して輸送する際、車両ごとに荷主や配送先、下請け関係が異なるケースが多いためです。1台ずつ個別に運送体制を記録・書面化する必要があり、一般的な単一荷主のチャーター輸送に比べて事務処理の負担が極めて大きくなるためです。

Q3. 走行中EV給電技術が実用化されると物流にどんなメリットがありますか?

A. 走行中に道路から電力が供給されるため、大型トラックに大容量・大重量のバッテリーを積む必要がなくなり、積載量の減少を防ぐことができます。また、長時間の充電待機による車両停止時間をなくし、車両の稼働率を高く保つことが可能になります。


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執筆: はぴロジNEWS編集部
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更新履歴: 2026年10月6日 公開

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